内容へのリンク  

> トップページ > 秋田県内の話題のバックナンバー一覧 > 2002年のバックナンバー > 秋田の話題の詳細



(視覚支援)
視覚障害者にPCの輪を
 雄勝町のNPO(非営利組織)「秋田県南パソコン支援市民ネット」が、雄勝町公民館小野分館で視覚障害者へのパソコン指導に取り組んでいます。

 講師は、全盲で指圧師の開業を準備している菅野泰寛さん。指導を受けた人たちが「町の指導者役」になって視覚障害者のパソコンの輪を広げようという構想です。

 パソコンは視覚障害者にとって、文章を作ったり、人から受け取った電子メールを音声に換えてくれたり、情報交換を楽にしてくれる便利な存在。専用ソフトがあり、パソコンの画面が変わるたびに音声で次の操作の指示も出きます。しかし、キーボードが見えないと操作が難しいため習熟には指導が必要です。組織的な指導者作りに手をつけたのは、秋田市のNPO事業化支援研修センター。2001年11月に視覚障害者の指導をするボランティアを集めて講習会を開催したのが市民ネット立ち上げのきっかけだったといいます。

 横手・湯沢で活動していた沼倉さんらは講習会に参加して2002年4月に市民ネットを立ち上げ、以前から指導を受けていた菅野さんもこれに加わりました。

 菅野さんはキーの配列を全部暗記し、自由に打てるほど上達。「同じ立場の人にあそこまでやれるという実例を見せてほしい」と頼まれ、講師を引き受けました。

 12月の講習では、電子メールの応用、ホームページの検索、印刷物のスキャンなどを指導。盲導犬と一緒に受講した参加者からは「菅野さんは同じ障害があるので、使う時、どこが不自由なのか分かって教えてくれた。これまでお世話になった人に電話しても、感謝の気持ちを十分表せなかったが、これからはメールで心の中の思いを伝えられる」と喜んでいます。

(1月4日/朝日新聞より)



2002年のバックナンバー一覧へ戻る