下半身に障害を負い、2歳の時から車いす生活を続けてきた犬のチャンプ(雄、ビアデッドコリー)が16年の生涯を閉じました。
人間でいえば80歳の大往生。飼い主一家たちが懸命にその生を支え、チャンプの姿が周囲の人たちに元気与え続けました。
チャンプは2歳の秋、車にはねられ歩けなくなりました。車いすは、飼い主でスポーツセンター社長の三浦英司さんが工夫を重ねて完成させたもの。以来、チャンプは事務所で暮らしながら、毎日1回は車いすに乗ってトコトコと外を散歩しました。
交通事故に遭ったチャンプのけがは重く、三浦さん夫婦は獣医から安楽死を勧められましたが、2人はチャンプの「生」にかけました。
建設資材販売と土木機械リースが本業の三浦さんは、手元の資材と加工用具を使って車いすを製作。動かなくなった後ろ足を毎晩マッサージすることも欠かしませんでした。
「車いす生活でかわいそう、では終わらせたくない。同情はチャンプにも伝わってしまうから、普通の犬と同じように接したい」。
「手を掛けてあげなかったという悔いはないが、存在感が大きかったからなあ…。まだいるような気がする。チャンプは人に助けられるだけでなく、何かを伝えて、人を助けていたんだ」。
(12月17日/秋田魁新報より) |