内容へのリンク  

> トップページ > 秋田県内の話題のバックナンバー一覧 > 2002年のバックナンバー > 秋田の話題の詳細



(盲導犬)
愛犬パックスとともに
「バリアフリー」を願う
 秋田県盲導犬使用者の会の代表を務める佐々木達夫さん(53)は、総合学習の時間に盲導犬や視覚障害者のことを話してほしいとの依頼で小学校に招かれることが多い。

 愛犬パックスを横に座らせ、子供たちに「盲導犬を触ったり餌を与えたりしないで」と訴える。「街角で私たちが道を尋ねたら、『あっち』ではなく手を取って教えてください」。子供たちを先頭に盲導犬への理解は急速に進んでいるが、県内の使用者によると、駅の一部では対応が悪かったり、飲食店でも入店を断られることもあるという。

 10月、身体障害者補助犬法が施行され、公共施設・交通機関では盲導犬の同伴を拒むことが禁じられた。来年の10月以降は、ホテルやレストラン、スーパーも同様になる。盲導犬の存在が、ようやく法律で認知された。

 パックスは10歳。佐々木さんと暮らして8年になる。最近は老化が進み、昨夏から家で心臓発作を3度も起こした。だが仕事中は元気で、胴輪を付けて外に出るとしっぽを振り、楽しくて仕方ないといった感じ。盲導犬は働くことが生きること、と実感する。

 自由な外出をもたらしてくれたかけがえのない存在のパックス。いつ何があってもおかしくない状態だが佐々木さんはいたわり合うことで、一日でも長く一緒に暮らしたい、と思っている。世の中に「心のバリアフリー」が広がることを願いながら。

(10月28日/秋田魁新報「北斗星」より)



2002年のバックナンバー一覧へ戻る