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(ユニバーサルデザイン)
障害に気づいて!
マークで色で積極的にアピール
 耳や心臓など外見では分かりにくい体の障害やハンディを、バッジやカードなどで積極的に周りに知らせる動きが広がっています。これまで隠しがちだった障害を公にすることで、周囲の理解を求めるのが狙い。利用者や福祉機器メーカーの意識もかわりつつあります。

◇カラー補聴器
 補聴器メーカーのワイデックス(東京都中央区)は、カラフルな衣服で知られるベネトンジャパンと組み、カラー補聴器「ベネトン」を発売。「小さく目立たず」という従来の補聴器の常識を打ち破り、色部分が耳の外に出るタイプ。赤や青など全7色で、価格は6万8000〜14万8000円。一見、小型のヘッドホンと見まちがえるようなおしゃれなデザイン。同社では「補聴器に対するネガティブなイメージや偏見を覆したかった」と説明しています。
 カラー補聴器は、子供から実年世代の幅広い層から「おしゃれで格好いい」「ぜひ着けたい」と好評。「これまで利用者のニーズに応じて、肌色でできるだけ耳の中に隠れるような小さな物を作ってきた。眼鏡がおしゃれな装飾品に進化したように、身に着けることで当事者や家族が前向きになれるような商品を提供したい」としています。

◇カードとバッチ
 ペースメーカーの使用を知らせるカードを作ったのは、大阪府吹田市の会社役員。87年からペースメーカーを使用していますが、近くで携帯電話を使われ倒れそうになった経験が何度もあったことや、新聞の投書欄に「周りにペースメーカーの利用を知らせるバッジがほしい」という記事を見つけたことがきっかけでカードの作成を思いついたといいます。昨年、名刺サイズで2000枚を作り無料配布したところ1週間で品切れに。その後も口コミで評判が広がり、送料だけ自己負担してもらい、これまで約3000枚を全国へ送りました。外出時に胸に着けていると、カードに気づいて大半は電源を切ったり、通話をやめるなど効果は上々。「電車などで携帯電話の通話を禁じる動きが広まっているが、効果はほとんどない。病気というプライバシーを公にしても、命を守る自衛手段をとるしかない」と話しています。

◇耳マーク

 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴)は、耳が聞こえないことを周りに知らせる「耳マーク」の普及に努めています。名古屋市に住む難聴者が考案したもので、79年に同連合が統一マークに認定。シールやカードをはじめ、メモ帳や表示板なども用意。全難聴事務局は「最近は積極的につけるようになってきたが、まだマーク自体が知られていない。もっと多くの聴覚障害者に知ってほしいし、健常者はマークをつけた人を見たら、手を差し伸べてあげてほしい」と話しています。

(10月4日/毎日新聞より)


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