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(聴覚障害)
見えない障害 難聴1
 さいたま市の吉本真理さん(42才)は、人生の途中で難聴に見舞われました。一見すると体に不自由があるようには見えませんが、両耳の感音性難聴という身体障害三級の障害者です。三十歳を過ぎてから急に聴力が落ち始めました。大きな耳鳴りが、一日中続き、話すことはできるが、今では相手の言葉は、ほとんど聞き取れなくなりました。そのため、スーパーのレジやレストランで店員の呼び掛けに気がつかなかったり、違うメニューが出てきたりと日常的に不便があります。また、乗っていた電車が事故で止まっても、車内放送では何が起きたか理解できないし、周囲に聞くこともできないので、万一、火災報知機の非常ベルに気づかなければ、自分だけが逃げ遅れる危険もあります。

 耳の聞こえが悪い聴覚障害の人は、全国で約六百万人と言われますが、数が多い割に、聴覚障害への社会の配慮は少ないようです。外見ではわからないので、周囲に障害を知られる心苦しさが少ない反面、誤解も生みやすく、孤独感を深めます。聴覚障害はコミュニケーション障害ともいわれ、吉本さんも「本当は『聞こえない』なのに、『聞いてない』と思われるのがつらい」そうです。

(9月30日 読売新聞より)


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