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(障害者問題)
障害者問題を新視点で「学会」10月設立へ
 「障害学」は、障害者や障害を、医療や社会福祉の視点からみるのではなく障害者自身の文化に注目したり、社会からの視線を問い直したりするという学問。日本では1990年代後半から取り組みが始まり、10月11日に東京駒場の東京大先端科学技術研究センター3号館で「障害学会」の設立総会が開かれます。

 障害学は英米では1970年代から発展。英国では施設入所に抗して地域での自立生活を目指す障害者運動と共に生まれました。現在は年6回、研究誌が発行されています。日本では1999年に「障害学研究会」が発足。『障害学への招待』『障害学の主張』(ともに明石書店)などの著作あり。出生前診断や優性思想の問題、障害者プロレスのように平等よりも障害者の「差異」を強調する動きが論じられています。学会の発起人の1人、長瀬修東京大特任助教授は「障害を克服する対象ではなく、障害者として生きることを価値ある生き方と考える視点」と説明。今後は研究大会を開いたり研究誌を定期的に刊行していきたいとしています。

(9月25日/朝日新聞より)


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