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(介助犬)
障害者を助ける相棒
介助犬って知ってる?
 手足が不自由な人のお手伝いをする介助犬のことを知っていますか?盲導犬や耳の不自由な人を助ける聴導犬とともに補助犬と呼ばれています。

 東京八王子で介助犬を育てているNPO法人「介助犬協会」が主催する一般向け見学会。ゲストは、身体障害者補助犬法に基づいて誕生した「介助犬第一号」のオリーブ(ラブラドール・レトリバーのメス、3歳)と、飼い主で千葉市職員の山口亜紀彦さんでした。

 車いすに乗った山口さんが室内のスロープを上るために、「テーク、車いす!」と声をかけると、オリーブは車いすに結ばれたバンダナをくわえて、車いすを引っ張り始めました。山口さんとの共同作業で無事スロープを上り切ると、見守っていた小中学生ら約百人から拍手が起こりました。

 山口さんは8年前、交通事故でせき髄を傷めて車いす生活に。熱を出した時、冷蔵庫まで飲み物を取りに行く体力がなく水分不足になり、重い病気にかかってしまったために介助犬との生活を望んだといいます。同協会でトレーニングを積んでいたオリーブと、2年前から一緒に生活。オリーブは山口さんと一緒に行動し、職場でも落としたボールペンを拾ったり、歩道橋のスロープで車いすの車輪が外れ放り出された時には車いすを取って来てくれ、無事帰宅できたこともあったそうです。山口さんは「最初は言うことを聞いてくれず、信頼関係を築くのに1年近くかかった。今ではオリーブはいなくてはならない存在。認定をきっかけにこれからも堂々と社会参加をしていきたい」と話しています。

 身体障害者補助犬法が2002年10月に施行され、市役所や鉄道など公共の場では補助犬を連れた障害者の受け入れを拒否できなくなりました。2003年10月からは、民間のデパートやレストランなどでも受け入れを義務化。現在、法律の対象となる盲導犬は900頭以上いますが、認定介助犬はオリーブのほか1頭だけ。目や耳、手足が不自由な障害者にとって補助犬は大切なパートナーです。

 読売光と愛の事業団と、日本介助犬アカデミーは、小中学生を対象に作文「補助犬ってなんだろう?」を募集しています。介助犬、盲導犬、聴導犬について、見聞きしたり調べたりして感じたこと、考えたことを原稿用紙で1000字程度に。来年1月10日必着。

(9月22日/読売新聞より)


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