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(主張)
リモコン 障害者への配慮と工夫を
 唐澤 浩(フリーライター)
現在、家電製品の多くに採用されているリモコンは元々、自力では身動きできない重度身障者の生活補助具として開発されたものである。障害のため室内を移動することが不可能でも、指先のわずかな力でテレビやステレオ、エアコンなどを操作できる、というリモコン。

それにしても、皮肉なことがあればあるものだ。障害者の日常生活の利便性を図って開発されたはずのリモコンが上肢障害者、つまり手が不自由な者の生活を逆に不便にしている。
現在の室内家電はリモコン仕様が大半で、これまで補助具を使ってなんとか操作していたスイッチ類は極めて小さい。リモコンのデザインも、全体のかたちが流線形を帯びているためどうにも固定しづらい。

パソコンの場合もしかり。基本ソフトがカーソル仕様の頃はキーボードだけで操作できたが、インターネットの普及でポインター仕様へと変わり、無軌道なポインターをマウスなどで操らなければならなくなった。障害者のための補助装置やアプリケーションもあるがいずれも帯に短したすきに長し。

上肢に重い障害を持つ私は、かくなる次第でデジタルデバイド、つまり「情報格差」の壁に突き当たっている。関係企業および開発担当者には、上肢障害者が必ず遭遇するデジタルデバイドについても、脳裏に置いていただくことを、切に望む。
(7月6日/朝日新聞より)


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