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(出版)

障害超え童話集出版 2年かけ12話つづる

22年前に視力を失いながらも、アイディアと指先を頼りに執筆活動を続けてき た大館市在住の高野博(80)さんが、「ひろしの童話 ハト時計」と題し た童話集自費出版し、このほど、出版した200部のうちの91部を県北教育事務所(鷹巣)を通 じ、同事務所管内の全小学校に寄贈した。

高野さんは、平成12年から毎年一冊ずつ文集を自費出版しており、県立図書館(秋田市)や親類などに贈っている。 今回の童話集は、出版まで2年間を費やし、孫に聞かせた創作話などを中心に12話がつづられている。

点字ではなく、文字が乱れぬよう原稿用紙の行間に銅版をあてる工夫を施して、一般の文字で執筆している。 しかし、高野さんが書いた文字では、出版社の担当者が正確に読み取れないことから、妻のノリさんが清書してくれている。 挿絵は大学1年生の孫が担当。 「まさに3人4脚。少しでも多くの子どもたちに喜んでもらえたら」と高野さんは語る。

高野さんのこれまで。

  • 昭和45年 緑内障などを患い秋田市内の病院に入院。2年ほどの治療で一時回復も見せた。
  • 昭和51年 業務に支障を来すとの理由で県職員を退職。
  • 昭和57年 通信教育(国立函館視力障害者センター)を受講し、点字を習得。
  • 昭和58年 全盲に。自身のこれまでの多くの人との出会いをテーマに執筆を始める。

(2005年2月18日 秋田魁新報より)

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