秋田大工学資源学部教授の清水浩志郎さん(64)が「高齢者・障害者のための都市・交通計画」(山海堂)を刊行。
国や自治体の厳しい財政状況の下、ハード面の整備だけで高齢者・障害者のための街づくりを行なうことの限界を指摘し、ボランティア団体やNPOの協力というソフト面に、気軽に助け合う気持ちといったハートを加えた三要素(ハード・ソフト・ハート)が一体となった街づくりが望ましいと強調する。
また、低床バスは降雪時に運行しにくくなる弱点があることや、雪かきができない高齢者が、冬期間外出が困難になることなど、雪国ならではの課題も指摘する。
本書は、単なる事例紹介に終わらず、鷹巣町や秋田市など県内市町で調査、分析した結果も加え、これまでにない充実した内容となっている。清水教授は、学生や自治体の実務者に教科書・実用書として、また広く一般にもこの問題を考えてもらえるきっかけづくりになれば、と語る。
A5判。239ページ。16章で構成。山海堂。3400円
(2004年9月22日 秋田魁新報より)
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