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(まちづくり)
白神山地 藤里の自然観察教育林
気軽に!車いすで森林浴

 世界自然遺産・白神山地にある岳岱自然観察林(藤里町)で、車いすでも気軽に森林浴が出来る自然観察路が完成し、訪れた人たちがブナ林の自然を満喫しています。13日には完成記念の散策会が行われ、車いす利用者3人を含めた参加者約40人が、さわやかな森の香りを楽しんみました。

 教育林は広さ約12ヘクタールで、標高約620メートルの比較的平たんな地点にあります。ブナの巨木が並ぶ風景が「白神山地で最も美しい」といわれ、散策スポットとして人気が高いエリアです。

 観察路は、東北森林管理局が教育林入り口から白神のシンボル「400年ブナ」までの約400メートルにわたって整備されています。5月下旬から利用が始まっています。道幅は約1.5メートルで、表面に厚さ約4センチ程のウッドチップを敷き詰め最大斜度は8パーセント(約7度の勾配)と緩く、教育林入り口までは車で行くことが出来ます。

 散策会では、参加者が交代で車いすを押しながら約1時間かけてゆっくりと歩き、400年ブナの近くで写真を撮るなどして自然を楽しんでいました。 車いすで参加した全国脊髄損傷者連合会県支部の小森一昭支部長は「今までは山に行っても、車の窓をあけて車内から景色や空気を楽しむだけで、実際は森林に入るのは初めて。 道も適度な柔らかさがあって走り心地もいい」と笑顔で話していました。

 また、教育林内には雨がしのげる場所がなかったため、秋田杉を使ったロッジ風の多目的展示施設(木造平屋建て 約85平方メートル)も建設。パンフレットを置いたり写真を飾ったりして、白神山地の紹介やマナー向上を呼び掛けています。

 観察路と多目的展示施設は、降雪前の2003年12月に完成しました。総工費は計約3600万円だということです。

 

白神山地についてはこちらを御覧ください。               秋田県庁「白神山地」ページ

この観察路で使われているウッドチップ鋪装についてはこちらを御覧ください  国土交通省関東技術事務所

(7月15日 読売新聞秋田版より)




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