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(救急医療)
秋田にも重傷患者の搬送処置定めた外傷学
「PTEC」のインストラクターを
 交通事故などの重傷患者を救急搬送する際の処置を定めた外傷学・PTECの普及が図られていますが、東北6県・新潟では、PTECのインストラクター資格のある医師・救急隊員がいないのは秋田のみ。県内でも習得を目指す医師、救急救命士らが講習会開催などの活動を始めています。

 救命率向上のため、米国で1980年代に外傷学・BTLSが誕生。日本でも普及が図られBTLSの日本版・PTCJが作られ、こちらも普及が図られてきました。国家資格取得のためではないこれらの講習会は、医師や救急救命士らが手弁当で行ってきたのですが、日本救急医学会では必要性を認め、今年、同会認定のカリキュラムを定めたものがPTECです。

 PTECでは、患者を搬送、1時間以内に手術を開始可能にするため救急隊がすべきことを定めています。「早く運ぶに越したことはない」とした従来の考え方と異なり、救急隊は、けいつい保護をはじめ、頭や胸、腹などを観察し命が危険と推測される場合は患者の全脊柱を一枚板構造のバックボードに固定、5分以内に現場を出発することなどがあげられます。

 日本救急医学会の各地方会では筆記試験と、救急現場を再現した実技試験からなる講習会を開催。最初の講習に合格すると講習受講資格をもつインストラクター・ポテンシャルに認定され、さらに受講を受けて合格後、インストラクター助手を経験。適任と判断された場合にインストラクターとなります。

 事務局は「救急隊の受講・習得は今後、行政サービスとして求められるようになってくる」と意義を説明。県内では6月に初の講習会が開催されましたが、県外の救急救命士、医師がインストラクターを務めるなど、今後、県内での一層の普及を考えた場合、県内でのインストラクター誕生が待たれています。

(9月8日/読売新聞より)



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